相続・離婚・事業承継などをきっかけに発生する「共有不動産」。複数人で不動産を所有する状態は、
本来であれば互いに協力して管理・売却を行うべきですが、利害や感情の対立によってトラブルに発展するケースも少なくありません。
「話が進まない」「売却に反対される」「勝手に使われている」――こうした事態に直面したとき、
弁護士に相談すべきかどうかを迷う方も多いのではないでしょうか。
本記事では、共有不動産トラブルにおいて弁護士に相談するべき状況の判断基準と、
トラブルが大きくなる前に取るべき初動対応のポイントをわかりやすく解説します。
目次
共有不動産トラブルの典型的な症状
以下のような状況は、共有不動産トラブルの「予兆」または「進行中のトラブル」である可能性があります。
- 売却に共有者の一人が反対し、処分できない
- 誰かが無断で使用・賃貸している
- 固定資産税や管理費の支払いに差がある
- 共有者が音信不通で意思確認ができない
- 感情的な対立で話し合いが成立しない
こうしたケースでは、放置することでさらに問題が深刻化し、
法的手続きが必要になる前に初動対応が重要となります。
弁護士に相談すべきかどうかの判断基準
以下に該当する場合は、弁護士への相談を早めに検討すべき段階です。
1. 共有者間での話し合いが完全に行き詰まっている
売却・管理・利用に関する合意形成ができず、何年も放置されているような状態。
2. 相手方から一方的な主張・法的通知を受けている
共有者から内容証明郵便、訴訟予告などを受けた場合、法的対処が求められます。
3. 自分だけが費用を負担しており、不公平感が強い
支払いの不均衡は共有関係の破綻を招きます。請求や回収に法的整理が必要になることもあります。
4. 相手が不明、または死亡し相続が複雑化している
共有者が行方不明、または複数の相続人が登場している場合は、法律の知見が不可欠です。
トラブル初期にとるべき3つの行動
1. 登記簿・持分割合・現状の把握
まずは対象不動産の「登記簿謄本」を取得し、共有者の名前や持分割合を確認します。
同時に、固定資産税通知や利用実態なども整理しておきましょう。
2. 話し合いの場を設ける努力
メールや手紙など、記録の残る形で意見交換を行うのが理想です。
感情的な対立が予想される場合は、第三者(不動産会社・行政書士など)の同席も有効です。
3. 中立的な専門家に相談
弁護士だけでなく、不動産会社・税理士・司法書士などに早期相談することで、法的手続き前に解決できることもあります。
弁護士に相談する場合の進め方
いきなり訴訟ではなく、まずは相談から始まります。以下が一般的な流れです。
- 無料相談・法律相談の予約(地域の弁護士会や専門事務所)
- 不動産の資料、登記情報、共有関係の履歴などを持参
- 法的な選択肢(協議・分割請求・訴訟など)を確認
- 必要に応じて正式に依頼・委任契約を締結
費用については、初回相談は無料の事務所も多く、相場は30分5,000円前後が一般的です。
正式依頼となった場合、着手金・報酬金・実費などが必要になります。
よくある質問
すぐに弁護士に頼むとトラブルが大きくなりませんか?
実際には逆です。感情的なやり取りを避け、中立的な立場で交渉してもらえるため、冷静な解決に繋がりやすいです。
相続した不動産が共有状態になっていて、今後が不安です。
将来的にトラブル化する前に、早めの相談・方針決定をしておくことで回避できます。
弁護士以外に相談できる専門家はいますか?
不動産会社(買取・査定)、司法書士(登記)、税理士(譲渡税・相続税)など、内容に応じた専門家との連携が有効です。
まとめ
共有不動産トラブルは、初動対応がその後の解決スピードと結果を大きく左右します。
特に法人や事業者にとっては、放置することが資産効率の悪化や決算への影響に直結します。
- 話し合いができない・進まない場合は早期相談を
- 弁護士への相談は「問題を大きくする」のではなく「解決を早める」
- 法的選択肢を理解した上で、最適な対応を選ぶ
大切なのは、「トラブルになる前」に動き出すこと。
まずは現状を整理し、専門家への初回相談から始めてみましょう。
