離婚が成立したあとも、不動産の共有名義が整理されないまま放置されてしまうケースは少なくありません。「売りたいのに相手の同意が得られない」「住宅ローンがまだ残っている」「名義変更の方法がわからない」など、悩みは多岐にわたります。この記事では、離婚後に残された共有名義の不動産について、整理の方法や売却に向けた対応策をわかりやすく解説します。
目次
離婚後の共有名義不動産の問題点
夫婦で購入した住宅は、共有名義となっているケースが一般的です。離婚後にこの不動産がどちらかの単独名義に変更されず、共有のまま放置されていると、次のような問題が発生します。
- 不動産を売却するには両者の同意が必要
- 片方が住み続けていると固定資産税の支払いで揉める
- ローンが残っている場合、連帯保証人の義務が続く
このような問題を放置していると、数年後に売却や住み替えが難航するケースもあります。
共有名義のままにしておくリスク
共有名義を継続すると、所有者としての責任と権利を双方が持ち続けることになります。以下のようなリスクがあるため、早期に整理することが望まれます。
1. 売却が困難になる
共有者の一方が売却に応じない場合、売却手続きが進みません。また、持ち分だけを売る場合でも買い手がつきにくく、市場価値が下がる可能性があります。
2. 固定資産税などの支払いでトラブルになる
どちらが支払うのか明確に決めていない場合、未納が発生するリスクや、費用負担でもめる可能性があります。
3. ローンの支払い義務が残る
共有名義のままでは、住宅ローンの契約者としての義務も続きます。返済が滞った場合、信用情報に影響が出ることもあるため要注意です。
整理の選択肢:売却・持ち分譲渡・名義変更
共有名義の整理には、主に以下の3つの方法があります。
1. 不動産を売却して現金化する
双方の合意が得られれば、もっともシンプルな方法です。売却益を分配し、金銭的な精算を行うことで関係を完全に断つことができます。
2. 片方の持ち分を譲渡する
どちらか一方が住み続けたい場合、相手の持ち分を買い取って単独名義にすることも可能です。ただし、譲渡価格の設定や税金の問題が発生するため、専門家への相談が推奨されます。
3. 住宅ローンを完済し、名義変更を行う
ローンが残っている場合、名義変更には金融機関の承諾が必要です。完済後であれば、所有権移転登記を行うことで単独所有にできます。
売却に向けた具体的な手続き
不動産を売却する際の主な流れは以下のとおりです。
- 両名義人による売却合意の確認
- 不動産会社への査定依頼(複数社で比較推奨)
- 媒介契約の締結
- 買主との交渉・売買契約
- 登記・引き渡し手続き
共有名義のままでも売却は可能ですが、どちらかが拒否すると進められません。そのため、売却の意思確認は最初の重要ステップです。
住宅ローンが残っている場合の対応
住宅ローンが残っている不動産は、売却金額でローンを完済できることが前提となります。完済できない場合は、「任意売却」などの手段を検討する必要があります。
任意売却とは
金融機関の同意を得て、不動産を市場価格で売却する方法です。売却額がローン残債を下回る場合でも、柔軟に対応できる可能性があります。
離婚後に収入状況が変化している場合、ローンの返済が困難になるケースも多いため、早めに専門家へ相談することが望ましいです。
よくある質問(Q&A)
Q1. 離婚後でも相手の同意なく不動産を売れますか?
いいえ。共有名義の不動産は、原則として共有者全員の同意がなければ売却できません。
Q2. 相手と連絡が取れない場合はどうすればいいですか?
家庭裁判所に調停を申し立てる、あるいは持ち分の買取交渉を第三者に依頼する方法があります。
Q3. 売却と譲渡、どちらが得ですか?
状況によります。売却は金銭精算が明確で、譲渡は住み続けたい側にとってメリットがあります。税務・費用面も含めて検討しましょう。
まとめ
離婚後に共有名義となっている不動産は、放置しておくと法的・経済的なリスクを伴います。売却による現金化、持ち分の譲渡、住宅ローンの整理といった方法で早期に対応することが、後のトラブル回避につながります。
専門的な判断が求められる場面も多いため、個人で抱え込まず、経験豊富な不動産会社や専門家に早めに相談することをおすすめします。
もし、共有名義不動産の売却や整理に関するご相談がある場合は、下記の問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。迅速かつ丁寧に対応させていただきます。
