2026年版|共有名義の相続物件を売却する方法

相続で不動産を取得した際、「兄弟や親族と共有名義になっている」というケースは少なくありません。こうした共有名義の物件を売却したいと思ったとき、多くの方が「どう進めればいいのか分からない」「他の共有者の協力が得られない」といった悩みに直面します。

本記事では、2026年時点の法制度を踏まえ、共有名義の相続物件を売却する際のポイント、注意点、進め方を分かりやすく解説します。初めての方にも理解しやすいよう、丁寧に構成していますので、ぜひ最後までご覧ください。

目次

なぜ共有名義だと売却が難しいのか

共有名義とは、不動産の所有権が複数人に分かれている状態を指します。たとえば兄弟で均等に相続した場合、持分はそれぞれ1/2ずつになります。

このような状態で売却を行うには、原則として全共有者の合意が必要です。1人でも反対すれば、原則として物件を売却することはできません。さらに、共有者が高齢で判断能力に不安がある、海外に住んでいる、連絡が取れないなどの場合、より複雑になります。

共有名義の不動産を売却する手順

1. 所有者全員の持分確認

まずは登記簿謄本を取得し、誰がどの割合で所有しているかを明確にします。共有者の中に名義変更がされていない相続人がいる場合は、先に相続登記が必要です。

2. 全共有者の同意を得る

売却には全員の合意が必要です。事前に売却希望価格やタイミングなどを共有し、合意形成を図ることが重要です。

3. 売却活動の開始

不動産会社を通じて販売活動を始めます。共有者全員が媒介契約に署名する必要があり、購入希望者が現れた場合も全員の売買契約への署名が求められます。

4. 売買契約の締結と決済

契約・決済時には、共有者全員が立ち会う、または委任状を提出することで対応します。

共有者との意見が合わない場合の対応策

1. 柔軟な交渉

金額や売却条件に意見が分かれる場合、仲介会社を通じて第三者の視点から交渉を進めることが有効です。

2. 持分買取の検討

特定の共有者が売却を強く望む場合、他の共有者の持分を買い取ることで単独名義とし、自由に売却できるようにする方法があります。

3. 共有物分割請求訴訟

どうしても合意できない場合は、裁判所に「共有物分割請求」を起こすことが可能です。最終的には裁判所の判断により売却または現物分割が行われます。

共有名義売却に関わる税金と分配方法

共有名義の物件を売却した場合、譲渡所得税は共有者それぞれの持分に応じて課税されます。また、売却代金も同様に持分割合に基づいて分配されます。

注意点として、一部の共有者が非課税特例を使える条件を満たしていても、他の共有者には適用されないことがあります。税務署や専門家に確認することをおすすめします。

共有名義物件をスムーズに売却する方法

共有者との調整に時間がかかる場合、買取専門の不動産会社に依頼することで、比較的スムーズに現金化できる可能性があります。全員の同意は必要ですが、

  • 交渉回数が少なくて済む
  • スピードが早い
  • 内密に進めやすい

といったメリットがあります。相談は無料でできる場合が多いため、早期売却を希望する方には選択肢の一つとして検討の価値があります。

よくある質問(Q&A)

Q1. 共有者が認知症で意思表示できない場合は?

成年後見制度を利用することで、代理人を立てて売却を進めることが可能です。ただし、時間と手続きが必要になります。

Q2. 一人だけが売りたいと思っている場合、勝手に売却できますか?

持分だけを第三者に売ることは可能ですが、通常の不動産売却と比べて買い手が非常に限定されます。全体売却が現実的です。

Q3. 税金の申告は全員必要ですか?

はい、それぞれが自分の持分に応じた所得を確定申告で報告する必要があります。

まとめ

共有名義の相続不動産を売却するには、共有者全員の同意手続きの理解税務処理の準備が欠かせません。単独名義よりも調整や時間がかかる分、正しい知識と計画が重要になります。

「早めに現金化したい」「トラブルを避けて進めたい」とお考えの方は、共有名義に対応した買取相談を受け付けている不動産会社への相談も有効です。

まずはご自身の持分や共有者の状況を確認し、専門家に相談することから始めましょう。