「空き家を売らずに貸した方が得になるのでは?」
「誰も住んでいない家がもったいないから賃貸に出したい」
こう考える方は多いですが、空き家を貸す=不労所得になるという単純な話ではありません。
賃貸運用には税金の申告や法律対応、トラブル対応など、所有者としての責任と負担が発生します。
この記事では、空き家を貸す前に絶対に知っておきたい税金の仕組みとリスクについて、2026年現在の制度に基づきわかりやすくまとめました。
目次
空き家を貸すと発生する主な税金
空き家を個人が貸すと、その賃料収入に対して所得税や住民税が発生します。また、固定資産税も引き続き課税されます。
① 所得税・住民税(不動産所得)
家賃収入から必要経費(管理費、修繕費、減価償却費など)を差し引いた金額が「不動産所得」となり、総合課税として申告・納税が必要です。
例:年間家賃収入120万円 − 必要経費50万円 = 不動産所得70万円
この70万円が他の所得と合算され、税率に応じて課税されます。
② 固定資産税・都市計画税
貸している・貸していないに関わらず、土地と建物の評価額に基づき毎年課税されます。
ただし、空き家のままだと「住宅用地特例」が使えなくなることがあるため、適切に賃貸している状態を保つことが節税にもつながります。
③ 消費税(法人貸付の場合)
個人間の住宅賃貸では原則非課税ですが、事業用として法人に貸す場合や駐車場などは消費税課税の対象になる可能性があります。
税務の取り扱いは複雑なため、貸し出す前に税理士や不動産会社に相談しておくと安心です。
賃貸化する際に想定されるリスク
空き家を貸すと毎月収入が入ってくるというメリットの一方で、所有者にはさまざまな責任が伴います。
事前に把握しておくことで、予期せぬトラブルや損失を回避できます。
① 修繕・維持管理コスト
築年数が古い空き家ほど、入居者が決まった後に設備トラブル・劣化・雨漏りなどの修繕費がかかるリスクがあります。
また、入居前にハウスクリーニングや設備点検を行う必要がある場合もあります。
② 空室リスク
借り手が見つからない場合、家賃収入がゼロでも固定資産税や維持管理費用はかかり続けるため、赤字になる可能性があります。
特に郊外や利便性の低いエリアでは、空室が続く傾向があります。
③ 入居者トラブル・契約リスク
家賃滞納や近隣トラブル、無断転貸など、入居者に関するトラブルも起こりうるため、信頼できる管理会社を選ぶことが不可欠です。
④ 契約解除や退去時のトラブル
退去時の原状回復費用や、敷金の返還など、退去時に揉める事例も少なくありません。
契約時に原状回復の範囲や責任分担を明確にしておくことが大切です。
売却との比較で考える判断基準
空き家を「貸すか・売るか」で迷っている方は、以下のような基準で判断してみてください。
賃貸が向いているケース:
- 立地が良く、賃貸需要がある(駅近・学校近くなど)
- 定期的な収入が欲しい(年金+家賃)
- 資産を手放したくない(相続を見据えて)
売却が向いているケース:
- 修繕費や管理負担を避けたい
- 空室やトラブルのリスクを取りたくない
- 一括で現金化したい(相続人間の分配をスムーズに)
不動産の売却・賃貸は「正解がひとつ」ではありません。
自分の目的や家族構成、資産状況に応じて中立的な立場でアドバイスできる専門家に相談するのがベストです。
よくある質問
Q1. 空き家を貸すと固定資産税は上がりますか?
適正に賃貸されていれば、住宅用地として軽減措置が適用されるため、極端に上がることはありません。ただし、空室が長く続くと認定条件を外れる場合もあります。
Q2. 賃貸中に大規模修繕が必要になったらどうなりますか?
所有者(貸主)の責任で修繕費を負担するケースが一般的です。内容によっては保険や賃貸契約書の特約でカバーできることもあります。
Q3. 貸すか売るかで迷っています。どこに相談すればいい?
不動産会社の中でも、賃貸・売却の両方を扱っている中立的な会社がおすすめです。相続が絡む場合は、司法書士や税理士と連携してくれる専門窓口があると安心です。
まとめ
空き家を貸すという選択肢には、毎月の収入が得られるというメリットがある反面、税金や管理の負担、入居者トラブルなどのリスクも存在します。
この記事の要点
- 貸すと不動産所得として所得税・住民税の課税対象になる
- 固定資産税や修繕費用も継続して発生
- 空室・滞納・設備トラブルなどのリスク管理が必要
- 売却との比較で、将来のライフプランに合った判断を
「もったいないから貸す」ではなく、収支シミュレーションや地域の需要を正確に把握した上で判断することが後悔しない選択につながります。
まずは信頼できる相談先を見つけ、自分にとって最適な運用方法を一緒に考えてみましょう。
