不動産を複数人で共有している場合、自分の持分を単独で売却することが法的に可能です。
しかし、「持分だけ」の売却には想像以上の制約とトラブルリスクが潜んでいます。
本記事では、共有不動産の持分だけを売却したいと考えている方向けに、注意すべきポイント・売却先の選び方・円滑に進めるための実務的対処法を解説します。
特に相続や離婚などで共有状態になった不動産を処分したい方にとって、有益な情報をお届けします。
目次
「持分だけ」の売却は本当にできるのか?
民法上、共有不動産の持分は共有者の単独判断で売却可能です。つまり、共有者全員の同意がなくても、自分の持分のみを売却できます。
ただし、注意すべき点は以下の通りです:
- 売却できるのは「持分権」であり、不動産の一部を独占できる権利ではない
- 買主はその持分を他の共有者と共有することになる
- 利用・管理・収益化には制限が伴う
こうした理由から、買い手が限られるのが実情です。
持分売却の主なリスクと注意点
1. 他の共有者との関係悪化
事前に共有者へ何も伝えずに持分を売却すると、信頼関係にヒビが入り、後のトラブルに発展することがあります。
2. 買主による差し押さえや立ち退き交渉の可能性
悪質な買取業者が持分取得後に立ち退き交渉や訴訟を起こすケースも。売却相手の選定は非常に重要です。
3. 思ったより低い金額になることも
持分だけでは不動産全体の価値を引き出せないため、市場価格の3〜5割程度になるケースもあります。
4. 固定資産税や管理費の分担義務は継続
売却後も一定期間、税や費用の負担が発生するケースがあります。契約時に明確に定めておきましょう。
売却先にはどんな選択肢がある?
1. 他の共有者
最もスムーズでトラブルが少ないのが、他の共有者への売却です。市場価格に近い金額での交渉も期待できます。
2. 持分買取業者
近年は「共有持分」に特化した専門業者も存在します。
スピード重視や交渉回避を優先したい場合は、有力な選択肢になりますが、信頼できる業者選びが不可欠です。
3. 一般個人・投資家
まれに収益目的の投資家が購入を希望する場合もありますが、リスクを伴うため慎重な交渉が必要です。
トラブルを防ぐスムーズな売却手順
- 現状把握:登記簿・持分割合・共有者構成を確認
- 共有者との事前相談:合意が得られるなら最も良い
- 買取業者へ査定依頼:2〜3社に見積もりを
- 契約書の精査:税務・引渡し条件・瑕疵担保責任などを明記
- 登記・引渡し:司法書士など専門家と連携しスムーズに対応
※ 特に共有トラブルが懸念される場合は、弁護士への事前相談をおすすめします。
よくある質問
持分だけを売却すると、買主は何ができるの?
利用や改修は原則として他の共有者の合意が必要です。単独での使用・貸出・建て替えはできません。
売却後にトラブルになったらどうなる?
売却前に十分な説明や通知をしておけば、責任を問われることは通常ありません。
ただし、共有者間の感情的対立には注意が必要です。
価格が折り合わないときはどうすれば?
無理に価格を下げる前に、複数の買取先に査定を依頼することが大切です。場合によっては裁判所の手続きを検討します。
まとめ
共有不動産の「持分だけ」を売却することは可能ですが、さまざまな制約やトラブルリスクを伴うため、十分な知識と準備が必要です。
- 事前に共有者との関係を整理し、できる限り協議を
- 信頼できる持分買取業者や専門家に相談を
- 法的・税務的リスクを事前に把握
特に2026年3月の決算を控えている法人や、相続・離婚などをきっかけに不動産を整理したい個人にとって、今が動き出すタイミングです。
まずは現状の把握と、専門家への無料相談からスタートしてみましょう。
